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ホルモン分泌の減少と老化との関係はとても強いものです

女性の寿命はなぜ長いのでしょうか

ご存じのとおり平均寿命は男性より女性の方が長いというのが、ヒトという生物の常識と日本では考えられますが、老化によるホルモン分泌の変化は、閉経という女性ホルモンの分泌量が劇的に減少する女性にとって、ホルモン分泌量の減少と老化との関係性が強いということを考えると、老化のリスクはとても大きいと言えます。

女性ホルモンの分泌の変化、閉経によるエストロゲンが卵巣からの分泌を停止することは、女性の老化を加速させます。閉経前からエストロゲンの分泌は低下しており、エストロゲン欠乏に伴って多くの疾病や症状が、40歳過ぎから次々と現れてきます。

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出典:健康長寿ネット/内分泌系の老化(http://www.tyojyu.or.jp/hp/menu000000100/hpg000000002.htm)

男性ホルモンの分泌の変化は、緩やかでその影響も個体差が大きいものとなっており、高齢者の場合には女性に比べると大きな問題とされていません。性ホルモンの分泌の変化とそれに伴って生じる老化のリスクを考えると、女性よりも男性の方が寿命が長くて良いのではないかと思ってしまいますが、この謎は浅学な身にはまだ解けそうにありません。

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出典:健康長寿ネット/内分泌系の老化(http://www.tyojyu.or.jp/hp/menu000000100/hpg000000002.htm)

成長ホルモンと誰が名付けたのでしょうか

20数年前に子どもの発達、成長、健康などについて勉強会を行っていて、その時に先生(医師)からIGF(インシュリン様成長因子)がGH(成長ホルモン)に重要な働きをしているようだということがわかったと教わりました。GHがヒトの成長には重要な役割をしていて、この分泌が夜間に行われていることがわかっているとも教わりました。

今ではIGFとGHとの関係は明らかにされており、IGF(-1)を測定することはGH分泌異常の診断と治療には必須のものとなっており、認知機能や一部の癌、心血管系疾患の発症に関連しているという報告が為されるまでになっています。

成長ホルモンという名前と20数年前の教えから、GHは成長期に必要なもので成人、ましてや高齢者には不要なものだろうと思ってしまいましたが、今ではGHは成長発育に影響を及ぼすだけでなく、睡眠中にヒトの身体のメンテナンスを行う大切なホルモンの一つであることがわかっています。

老化に伴って成長ホルモンの分泌が低下すると、身体のメンテナンスが十分に行われなくなるだけでなく、高齢者の睡眠障害や身体活動性の低下、脂肪量の増加が見られると言われています。成長ホルモンはヒトの誕生から死に至るまでヒトの生命だけでなく活動にも大きな影響を及ぼしていることがわかっており、この名前が果たして適当か、この名前でGHの作用、役割が正しく伝わるのかと疑問に思いました。

ホルモン分泌と老化の間には深い関係があります

加齢に伴う老化によりホルモン分泌は減少して行き、4つの主なホルモン分泌系に分類して、成長ホルモン系の変化をSomatopause、女性ホルモンの変化をMenopause、男性ホルモンの変化をAndropause、神経伝達物質の変化をAndropauseと名付けています。

老化によるホルモン分泌の低下は、筋力低下、骨粗鬆症、肥満、内臓脂肪蓄積、動脈硬化、更年期障害、記憶保持、認知機能、認知症などの身体の機能、行動の低下や疾病を引き起こす事が考えられています。

ホルモン分泌の低下が加齢により防げないものであるならば、ホルモンを補充すれば良いと考えるのは当然ではあります。しかし、高齢者に低下したホルモンを補充しても必ずしも期待された効果が見られなかったり、他の重篤な疾患のリスクが高くなったりすることから、ホルモンの補充についてはメリットとデメリットとを慎重に検討する事になっています。

ホルモン分泌と老化との間には深い関係があり、ヒトの健康に多大な影響を及ぼしていますが、女性の寿命が男性よりも長いという事を考えると、ホルモン分泌だけがヒトの健康や寿命を左右していないという事もわかります。日常生活を規則正しく快食、快眠、快通・・・が一番だと思います。



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