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老化は加齢の過程で生じる負の変化です

加齢は生まれてすぐから始まっています

加齢(Aging)とは、生まれてから死ぬまでの良いことも悪いことも含めたすべての過程、現象を指していています。たとえば赤ちゃんの頸の坐りにはじまり独歩が出来るようになるまで、泣き声でしか表現できなかった要求を指さしで示すようになり、さらには言葉で表現するようになるまで、言葉を話し始め文字を読む事が出来るようになりそして文字を書く事が出来るようになるまでや第二次性徴などの成長発達の過程、現象は加齢によって起こる良い過程、現象です。その一方で成人となってから起きてくる記憶力の低下、筋力の低下、病気に対する免疫力の低下などの老化と言われる現象は、加齢によって起こる悪い過程、現象だと言えます。

老化とは成熟期以降に始まるものです

老化とはヒトでは成熟期以降、おおむね20歳前後の年齢から始まる生存に不利となる加齢に伴う過程、現象を指しています。20歳前後というと早すぎると思われますが、確かに個体差はあるものの身体の機能、能力に低下が目立つようになり多くの方が老化を感じるようになるのは30歳を過ぎてからです。しかし、ヒトの持つ個々の機能、能力を成長発達の頂点とを比べてみると、それ以前に老化が始まっていると誰でもいくつか思い当たることがあると思います。

そして、老化というヒトの生存に不利となる現象が行き着く先は死の転帰という事になります。生物としてのヒトの老化と死への過程というのは、各臓器の個々の機能やそれらを統合する機能が低下して個体の恒常性(ホメオスタシス)を維持することが不可能となる過程が老化で、現象の到達点が死と言えます。

「老化=加齢」、「老化≠加齢」どちらでしょうか

老化というのは成熟以降の加齢に伴う負の現象と言えますが、その現象は急激な過程をたどったりゆっくりとした過程をたどったりするもので、加齢と同時並行的に起きる現象ではなく個体差の著しいものであります。

介護保険認定調査の特記事項に「加齢に伴う筋力低下」という表現をよく使っていましたが、これは「老化に伴う筋力低下」が正しい表現となります。加齢は連続的でかつ一定の速度、不可逆のもので、老化は連続、不連続のどちらも起こりかつ速度も一定とは限らず可逆性もあると考えらます。

加齢というのはヒトが生まれてから死ぬまでの時間経過、1日のようなものでしょうか、1日を一生とすると生まれたのが零時で死ぬのが24時となます。老化は成熟期に運良く達した時以降にはじまりますので、その24時間の中で多くを占める場合もあり全く無いこともあります。

このように考えると「老化=加齢」とは必ずしも言えず、加齢という事から考えると「老化≠加齢」でありますが、そして老化という事から考えると「老化=加齢」という事になります。



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