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医療従事者向け(11)認知症の症状の理由を考えましょう 1

認知症の中核症状のもの忘れが異常な言動を引き起こします。

認知症の人は何かをしようとしても忘れてしまって上手くできないため、焦りや不安を感じます。それがつのると混乱し、異常な言動を引き起こします。介護する人はそのことを頭にいれておけば、認知症の人の困った行動が理解でき、冷静に対処しやすくなります。

同じ事を何度も繰り返し言われる場合
 認知症の人は何度も繰り返し、同じ事を言います。でも本人は同じ事を繰り返して言っているという意識はないようです。また、認知症の人はいつも不安な気持ちに苛まれていますから、何かを確認したくて何度も聞き返す場合もあります。

そんな人に向かって「もう前も聞きました。いい加減にしてください」などと言い返すと、言われた本人はどう感じるでしょう。「なぜ怒られているの?」と戸惑い、反感を抱くはずです。何度も繰り返して言われても「そうなのですか」と初めて聞いたときのように話を受け入れる態度を示しましょう。そして認知症の人の不安に応えるように、面倒でも何度も応えるようにしましょう。

食事をしていない、と言われる場合
 認知症の人は食事をしたばかりなのに「ごはんはまだか?」などと食事を催促することがよくあります。あるいは、「家では何も食べさせてもらえない」と訴えることもあります。認知症の人は、介護者が「さっき食べたばかりでしょ」「ちゃんと食事を食べていますよ」と言っても納得しません。このような場合は、「●●時になったら食べましょうね」「もうすぐ支度しますから、待ってくださいね」などと対応し、期待を持てる状態をつくるのもよいでしょう。あるいは、散歩や身体を軽く動かす遊びに誘導し、感心を食事以外のものへ向けさせるのも良い対応でしょう。

どうしても食事に固執する傾向のある人には、一回の食事を二回に分け、いつも食事をしている感覚を持たせることも良いかもしれません。しかし、介護施設でもそれが可能でも、自宅で家族が介護するときには、その習慣がかえって家族の負担にもなりますから、注意が必要です。



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