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医療従事者向け(10)認知症の人の五感を刺激するようなケアを考えましょう

認知症の進行にともなって、徐々に衰えていく認知機能を回復・改善させるためにも、常日頃からの五感働かせることが大切です。視覚や聴覚、味覚、臭覚、触覚など、五感を刺激することで、脳の機能が触発され、活性化します。また、心地よい刺激は日常生活を楽しいものにし、生きる活力を与えてくれます。ですが認知症の人は急激な刺激や体感したことのない刺激には恐怖を覚え、拒否反応を起こすことが多いようです。認知症の人が戸惑わない程度の刺激を心がけながら、日常のなかで五感を刺激できる工夫をしてみましょう。

視覚を刺激
 認知症の人の洋服も、自宅で過ごすとき、外出するときといったケースバイケースで替え、ファッションを楽しんでもらえるように工夫しましょう。着替えが楽しくなれば、気持ちも華やぎます。たとえば、デイケアセンターに出かけるときは、少しおめかしをする、というような工夫もよいでしょう。

また部屋には季節の花を生けたり、本人が描いた絵画なども飾りましょう。散歩のときには花壇の花を愛でたりするのもおすすめです。

聴覚を刺激
 食事のとき、入浴のとき、くつろいでいるとき、いつも音楽が流れているという環境は、気持ちを落ち着かせてくれます。また認知症の人が口ずさむことのできる歌をいっしょに歌うこともよいでしょう。音楽療法として積極的に取り入れている施設もあります。

味覚を刺激
 認知症の人が子どものころから好んで食べていたものや好物を献立に加えてみるのもよいでしょう。おやつなどから工夫すると取り入れやすいでしょう。

臭覚を刺激
 マッサージのときや入浴のとき、またはリラックスしている部屋にアロマを焚くなど、ほんのりと薫るくらいの匂いを使って刺激するのもよいでしょう。

触覚を刺激
 軽く全身をマッサージしたり、手のひら、足の裏などのツボを刺激するほか、いつも使っている食器の素材を素焼き風の手に馴染みやすいものに替えたりするのもおすすめです。



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