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医療従事者向け(8)認知症の人への関わり方の原則 2

認知症になると新しい記憶は残りにくくなります。その反面、昔の記憶や身体が覚えている習慣は忘れずに残っています。そうした認知症症状の特徴をつかみ、その人らしい生活が維持できるようにサポートすることが大切です。

馴染みの関係になる
 介護をするうえで、どうしても認知症の人の身体に触れることが必要です。着替えを手伝ったり、荷物を確認したりします。ところが認知症の人は、あなたが誰だかすぐには認識できません。また何度でも「どなたですか」と尋ねます。そのように「知らない人」だと思っている人に、身体を触られたり、自分の荷物を確認されたりすると不安と被害妄想などの感情が生まれ、介護を拒否することにもなります。顔を見る度に名前を呼び、「今日はご機嫌いかが」などの挨拶を交わし、馴染みの関係を築きましょう。

馴染みの環境を作る
 馴染みのない環境は認知症の人にとっては、とても居心地が悪く、不安や混乱を起こします。デイケアやショートステイを利用しても、ここがどこだか判らないと、「家に帰る」と動き回ることもあります。慣れた場所や物に囲まれていると安心するのです。自宅でいつも傍に置いている物や、小物、写真などを用意するなどして、少しでも落ち着く環境作りを工夫するのもよいでしょう。

危険を防止する
 認知症の人は運動能力が低下します。また危険を察知することができなくなります。転倒したり、濡れた床で滑ったりして大腿骨の骨折を起こすケースも多いようです。自宅、施設などの水回り、お風呂場やキッチンなどの床は滑りにくいものにするなど、未然に防ぐことも大切です。

役割を見つける
 認知症の人は新しいことは覚えるのが苦手ですが、若い頃から好きだった編み物や絵画、歌などはちゃんと覚えていることが多いのです。「歌を聴かせて」とお願いしたり、編み物や絵画の趣味を促すなど、本人が楽しみながら続けられるものを見つけ、本人の出番を作ることは大切です。



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