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医療従事者向け(7)認知症の人への関わり方の原則 1

認知症の人の状態を確認する
 認知症の人のなかには、家族からの虐待を受けているケースがあります。そういったケースでは家族内での介護が限界にきている、介護家族の精神的な負担が大きすぎるなどが原因になっていると考えられます。地域の包括支援センターや担当のケアマネジャーなどに相談すると同時に、介護家族へのケアを行ってください。

介護家族とのコミュニケーションを日頃からとり、虐待を未然に防げる環境を作りましょう。

認知症の人のプライドを守る
 認知症の人はわがままで、身勝手な行動をとっているように感じることがあります。でも、本人にとっては理屈に合った行動なのです。頭ごなしに叱ったり、怒鳴ったりすると認知症の人のプライドは傷つきます。次の4点を心がけましょう。

1 子ども扱いしない:認知症が進むと着替えなどが出来ないなど、まるで子どもに帰っていくようにも感じます。ですが認知症の人は生活経験のある大人です。プライドを傷つけないような態度や言葉で接するようにしましょう。

2 怒鳴らない:認知症の人は叱られても、怒鳴られても、なぜ叱られているのかが理解できません。大声で怒鳴られると不安になり、パニックを起こす原因にもなります。

3 訓練しようとしない:認知症の人と毎日接していると、出来ないことばかりが目について、ついつい「こしたらいいのです」などと教え込もうとしがちです。よかれと思ってのアドバイスも認知症の人は理解出来ないことを無理にさせられる、と感じるようです。認知症の人が楽しめるように、さり気なくサポートするほうが効果的です。

4 肯定する:認知症の人への介護は、衣服の着替え、食事などが大半です。汚れることが多いのも事実。介護者にとって心が疲れることもたくさんあるでしょう。そういう時は、頑張って介護しようと力を入れずに、「そうね、そういうやりかたでもいいよね」と認知症の人の状態を肯定し、いっしょに居ることを大切にしてください。あなたの優しくて穏やかな声が、認知症の人にとってはもっとも安心し、頼りになるものなのです。



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