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抵抗力の弱い高齢者にはMRSAに感染させない予防が大切

もそもMRSAとは
 MRSAとは、Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureus(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の頭文字をとったものです。黄色ブドウ球菌という菌は非常にありふれたもので、私たちの皮膚や髪の毛、鼻や口の粘膜、傷口などによく付着しています。黄色ブドウ球菌は弱毒菌のため、抵抗力さえしっかりしていれば重症化することはありません。

MRSAはこの黄色ブドウ球菌の一種で、性質は黄色ブドウ球菌と同じです。では何が違うかと言えいますと、耐性遺伝子を持っている点です。つまり、耐性があるために抗生物質(菌を殺す薬)が効きにくくなっているのです。 そのため、発症すると治療が難しく、患者の抵抗力だけが頼りになる場合が多く、重症化すると敗血症や髄膜炎、心内膜炎、骨髄炎などを併発して死亡することもある、恐ろしいウイルスなのです。

MRSAの除菌対策
 MRSAは鼻や口の中、皮膚や排泄物などで繁殖していますが、抵抗力さえあれば発症はしません。とはいえ、感染源にはなり得ますので、要介護者と接する前には必ず手洗いとうがいを忘れないようにしましょう。もし、要介護者が保菌していると判明している場合は、除菌対策が必要です。鼻には「イソジン」(クリーム・ゲル状のものがあります)、のどには「イソジンガーグル」でのうがいが効果を発揮します。皮膚には「イソジン」やアルコールで洗浄したり、また拭いたりするだけでも除菌の効果があります。

MRSAの感染症状には、咳やくしゃみ、発熱、下痢といったものがあります。要介護者にこうした症状が見られる場合は、重症化を招く前に、一刻も早く医師の診断を受けましょう。

消毒が最も有効な除菌方法
 MRSAの感染は、これまでは院内感染、つまり病院の中でのみ感染するものとされてきましたが、今は家庭でも見られるようになり、感染経路が広がっています。だからこそ、ふだんの生活から予防を心がけることが大切であり、最も有効な手段が消毒なのです。

介護者は、介護を行う前後に必ず手洗い・うがいで消毒をして、除菌すること。また、ウイルスを吸い込むのを防いだり、からだに付着するのを防いだりする・ために、マスクや予防衣を着用すると良いですね。

要介護者に対する消毒も大切です。ウイルスが繁殖しやすい鼻やのどだけでなく、手洗いを勧め、部屋全体も定期的に消毒します。こうすることでMRSAが減ったり、また消えたりといった事例も報告されていますので、非常に効果があると言えます。

もし、MRSAの保菌者であるとわかっているようであれば、おむつは布製ではなく使い捨てタイプにする、清拭用のタオルは本人専用のものを用意する、洗濯物は分けて干す、といったことに気をつけましょう。

7つの消毒ポイント
 日常生活の中では、様々なシーンで菌が付着・繁殖する可能性がありますので、できるだけこまめに消毒・除菌を行うことが大切です。以下、代表的な7つのポイントを挙げますので、参考にしてくださいね。

トイレ
便器をはじめ尿器やポータブルトイレなどは、使用後に消毒してから洗いましょう。

ゴミ袋
ビニール袋に入れたゴミは、中をスプレー消毒してから口をしばりましょう。

傷口など
もし要介護者に傷などがある場合は、イソジンを使って消毒を。介護者が使うピンセットなどは、本人専用のものを用意するか、使い捨てのものを利用しましょう。

布団
布団をはじめ、マットレスや大判の敷物など洗濯機で洗いづらいものは、消毒剤をふりかけましょう。

部屋全体
スプレー消毒をする、又は消毒剤を染み込ませた布で、部屋全体を拭いて除菌しましょう。

衣類
洗濯物は、水洗いした後に消毒剤に浸け置きしてから洗濯を。さらに、高熱の乾燥機にかければ、より効果的です。

浴槽
浴槽や洗面器、シャワーの取っ手なども、使用後に消毒しましょう。



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