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誤嚥事故の予防には食事のリスクアセスメントを行う事が重要です

高齢者が自分の能力に応じた自立した日常生活を行ってゆく上で、食事を摂ることは生きる楽しみだけで無く生きるために必要な事であります。高齢者は、加齢による生理的老化で嚥下機能の低下は避けられず、病的老化によって嚥下障害が生じれば、食事を行う事に著しい支障が起きる事になります。

加齢による生理的老化で、唾液の分泌量、咀嚼力、嚥下機能、咳嗽反射などが低下するために、食事の時に起こりやすい顕性誤嚥や睡眠時などに起きている不顕性誤嚥が生じるようになります。病的老化により脳機能などに障害が起きれば、生理的老化が原因となる顕性誤嚥や不顕性誤嚥の可能性が大きくなってしまいます。

食事の介助には、利用者の生きる楽しみとして食事を楽しむことで、利用者の尊厳を支えるという重要な意味を持ちます。介護ケアの提供について、利用者の能力に応じた自律した日常生活を目指し、個別性の高い介護ケアを目指さなくてはなりません。誤嚥事故のリスクを低減させるための介護ケアの提供は、利用者の心身の状況や嚥下機能、口腔ケア、服薬状況などの情報を介護ケアを提供する職員が共有して、食事についてのリスクアセスメントをケアチームで行う事が必要と考えられます。

誤嚥事故の予防には、①姿勢は出来るだけ安定した座位を取る。②食事は温かい(少し熱めくらい)ものが良い。③飲み物は温かい、冷たいがはっきりわかるものが良い。④小さめのスプーンで一口量を少なくする。⑤食事の順序を工夫する。⑥嚥下しにくい食品を知る。⑦食事後は最低30分は臥床させるのは禁止。⑧口腔ケアを行うなどのことが効果的と考えられます。

食事による誤嚥への対応には、経口での食事摂取をいつまで行うか、利用者の心身の状態について、主治医や看護職などの医療職者と報連相を行いながら、食事についてのリスクアセスメントを行ってゆくことになります。介護職としては、食事の摂食方法や介護ケアの提供方法を検討によって、利用者の尊厳にとってどのような意味があるかを知る必要があると考えられます。

また誤嚥予防に効果的と言われている「嚥下体操」があり、日常生活活動の中で、誤嚥予防対策として取り入れる事も良いと思われます。

嚥下体操:http://www.ja-fukui.or.jp/kouseiren/k_advice/enge.html(JA福井県厚生連)



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