自分がこれから生活する施設、又は自分の親や家族を入居させたい施設を探す時には、誰しも、出来る限り良い施設に入居したい、させたいと思いますよね。良い施設という定義は暮らす人や家族によって違いがあると思いますが、一般的に「良い」と言える施設を一言で表すならば『入居者の事を大切に考えてくれる施設』と言えるかもしれません。
こんな設備があります、こんな優秀な人材がそろっています、こんな素晴らしい行事があります、食事にこんなに力を入れています…等々、各施設が力を入れている事にだって違いがあるでしょう。でも、入居者の事を真っ先に、大切に考えてくれる施設であれば、例え他の施設よりも行事が少なくても、食事の内容がちょっと劣っていても、また、介護福祉士の人数が少ない施設であっても、最新の設備が無くても、あまり心配する事はないと言えるかもしれません。では、それをどうやって見分ければ良いのでしょうか。
食堂の環境
ユニット型の施設であっても、従来型の施設であっても、やる事は同じです。なるほど、確かにユニット型の施設は設備面で恵まれています。なぜなら、従来型の施設の様に、入居者一同を一つの場所に集めて食事をする様な食堂ではないからです。大人数を「収容」する目的で造られた従来型の施設は、一同に入居者を集めて、出来る限りスタッフの目の行き届く環境で食事を摂らせる事を目的としてあります。その方が、食事中の見守りが出来ますから…という様な最もらしい理由をつけて。でもこれは、あくまでスタッフ目線の考え方でしかない事は、皆さんもお解りだと思います。
ユニット型は、一つのユニット、つまり生活を共にするグループの人数の上限が決められています。ですから、広すぎる様な無用の食堂を作る必要がない、というか作ってはいけないからです。当然ながら少人数でこじんまりしていた方が、アットホームな感じを出せます。家庭の様な暖かみのある環境、という事ですね。その様な環境の方が、物凄く高い絵画の額が飾ってある様な食堂よりも、生活する上ではリラックスできるものです。
従来型の大きな食堂であっても、パーテーションや植物などで区切りを作ったりして、出来る限りアットホームな感じを出せる努力は出来ます。とにかくここで注意したいのは、施設やスタッフ目線の食堂なのか、それとも入居されている入居者目線の食堂なのか、という点です。スタッフは働くだけですが、入居者は生活をしなければならないのです。施設選びを失敗すると、入居者も家族も苦しむ結果となります。