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お風呂前の準備

入浴ではなくてお風呂と呼びましょう、と「入浴とは何か」という記事の中で触れました。今後、入浴⇒お風呂、とさせていただきますのでご容赦ください。

では、お風呂の前の準備とは何をしたら良いのでしょうか。そもそもその前に、なぜお風呂の前の準備が必要なのでしょうか。
また例によって、自分の身で考えてみましょう。お風呂に入る時に一番初めに行う事は何ですか?人によって違いがあるでしょう。ある人は湯船を掃除することから始めるでしょうし、24時間風呂の様に循環していて毎日掃除をしない人は、お風呂のお湯を温める事がスタートかもしれません。でも、何をやるかの違いはあっても、これらには共通のことがあります。それは、「これから自分はお風呂に入ろうとしているんだ」という意識を持てることです。では、なぜこれが大切なのでしょう。それは、認知症の方に快くお風呂に入ってもらうことにつながるからです。

イキナリ“風呂”って言われたって…
≪お風呂に入りましょう≫と声を掛けて「よし、そうか分かった」と二つ返事で入ってくれる人には、あまり苦労はしません。でも、認知症の方は、ご自分を守ることが出来る世界の中で生活されていらっしゃいますから、もしかしてその世界では、これから外に出て散歩でもするか…と考えている時に≪お風呂に入りましょう≫と声を掛けられても、「イキナリ風呂って言われたって、俺(私)にはこれからやる事があるっ!だから風呂なんて入らんっ!」となるのですね。そうやって相手の感情を害してしまうと、もちろん相手にも申し訳ないのですが、なんだか自分も切なくなってしまいますよね…。この様な時、先ほど述べた様に、お風呂に入るために出来ればその方が行っていた準備から一緒に始めていくと、「自分はこれからお風呂に入ることになるんだ」という意識付けが自然と出来るものです。

他の準備
当然ながら、介助する程度によって準備する物が違ってきますが、それらの詳細は他の入浴(お風呂)ケアの方法論の個所で書かれていましたので割愛させていただきます。ただし、お風呂の準備でとても大切なことで、結構忘れてしまいがちなことが、室温管理です。お風呂に入るには裸になります。高齢者は往々にして厚着をしている…つまり寒がりです。温かい所で服を脱がないと、一気に体が冷えてしまい心筋梗塞や脳梗塞などの命につながる緊急事態となってしまいます。また、浴室は、住宅の中で最も滑りやすい場所と言っても過言ではありません。最近は洋風の家が増えてきたので、フローリングももちろん滑りやすいのですが、実際、日本全国の高齢者において、交通事故の死亡者よりもお風呂場で温度差によりショックを起こしたり滑ったりして亡くなられる方の方が数が多いという統計があります。ですから、ここは確実に注意しておきたい点です。



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