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洗い台を使えば、自力で立てない人でも入浴できる!?

車イス生活の人でも意外と簡単にできる、入浴までの移動の仕方とは?
いくら車イス生活の人でも、また脳梗塞などによって半身マヒという状態の人でも、起き上がれたり、イスに座れたりするようであれば、入浴することは可能です。介護施設はもちろんのこと、自宅でも浴室に十分なスペースがあれば大丈夫。浴室まで車イスを使って移動し、衣服を脱ぎ、車イスから洗い台(浴槽の脇に設えた座るための台)に腰掛けることをワンクッションとすれば、からだを洗うことも、また浴槽につかることもできるのです。

では、具体的にどのようにして入浴を行うのか?順序立ててご説明します。

車イスから洗い台への移動の仕方
車イスを使って浴槽の前まで移動したら、動く方の手で浴槽の縁をつかんで床に足を降ろします。前かがみになって腰を上げたら、動く方の足を軸にして洗い台におしりが着くようにからだを回転させ、そのまま腰を下ろします。

介助が必要な人の場合、介護者は「腰を上げる時」「からだを回転させる時」に要介護者のおしりを手で挟むように持ち、要介護者の動きをサポートするように誘導すると良いでしょう。この場合、車イスの形状が肝で、肘あてやフットレストが取り外せたり上に跳ね上げられたりするタイプの車イスですと、介助が楽になりますよ。

からだの洗い方
洗い台に座ったら、浴槽につかる前にからだを洗います。基本的には、健康な人がお風呂に入るのと同様にからだを洗うことになりますが、介助が必要だからといって、介護者がからだを洗ってあげる必要はありません。何度も言いますが、介護の基本は“普通の生活を送れるようにサポートすること”です。自分でできることは極力、自分でしてもらいましょう。

ただし、おしりを洗う時だけは別です。というのも、おしりを洗う時はどうしてもバランスが不安定になり、転倒事故が起きやすいため。浴槽の縁をつかんだり、又は洗い台の前に用意した同じくらいの高さの台に両手を置いたりして、前かがみに腰を浮かせてもらい、その間に介護者がおしりを洗うようにしましょう。

要介護者のマヒが重く、下半身の安定性に不安がある場合は、少し特別な介助方法になります。まず、介護者の足を要介護者の足の前に置いてつま先をブロックします。その後、両者のヒザが密着するように着け、要介護者のヒザがガクッと折れないようにしておきます。その体勢で、要介護者の脇から腕を差し入れ、自分のからだに体重を預けるようにして前かがみになってもらっている間におしりを洗います。

おしりを洗い終えたら、ヒザに力をいれて押し戻すようにしますと、自然と洗い台に腰かかけるような状態へと戻ります。

洗い台から浴槽へ移動する前に
洗い台から浴槽へと移動する前には、洗い台の上でも、なるべく浴槽に近い方へと移動しておきますと、浴槽につかるのが楽になります。そのためには、洗い台の上で横方向へと移動しておく必要があるのですが、ここでもいくつか注意ポイントがあります。

まず、からだを洗った際のシャンプーやせっけんの泡は、キレイに洗い流しておきましょう。泡で滑って転倒…といった事故は、意外とたくさんあるものです。そもそも浴室の床が滑りやすい場合は、滑り止めのついたマットを敷いておくなど、事前に対策を打っておくと良いでしょう。

動く方の手で浴槽の縁をつかみ、前かがみに腰を浮かせたらおしりを浴槽の方へとずらします。おしりから上半身までが浴槽の方へ移動したら、その後に足をずらして完了です。

介助が必要な人の場合、要介護者は介護者にぴったりとからだを着けることで、より安定した状態で横移動することができます。横幅のある洗い台を使っている場合は、要介護者の横に腰を下ろしてしまってもOKです。

要介護者がからだを横にずらすタイミングに、両手でおしりを挟むようにして支え、自分のからだ全体を使って押すような感覚で横にずらすと楽ですし、介護者の腰に負担がかかるようなことがなくなるはずです。

 



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