トップ > お役立ち情報TOP > 介護生活の基本 > 低栄養状態を防ぐためには、効率的な栄養の摂取が必須です

低栄養状態を防ぐためには、効率的な栄養の摂取が必須です

栄養状態の指標は体重と血清アルブミン値
 高齢者にとって、健康状態の悪化は絶対に避けたいものです。そのためには栄養をしっかり摂ることが大切ですが、どういう状況であれば健康だと言えるのでしょうか?健康状態を知るための最も良い方法が、身長・体重を測定して理想体重からかけ離れていないかを確認すること、そして血清アルブミン値を測定することです。

体重の目安は、身長(m)の2乗×22で計算されます。例えば身長が150 cmであれば、1.5×1.5×22=49.5kg。これが44.6~39.6 kgで軽度の低栄養状態、39.5~34.7 kgで中度、34.7 kg未満で重度の低栄養状態と言えます。また、週に1~2%以上、月に5%以上、3ヵ月で7.5%以上、6ヵ月で10%以上の体重の減少が見られる場合も、同様に低栄養状態が続いていると考えられますので、日々の体重管理はしっかりと行うと良いでしょう。

血清アルブミンとは、血中のタンパク質の一種。血液検査を行って、3.5g/dl以下になったら要注意です。3.4~2.8g/dlでは軽度の低栄養状態、2.7~2.1g/dlで中度、2.1g/dl未満では重度の低栄養状態と言えます。その場合はタンパク質を補う必要がありますので、魚や卵、ヨーグルトといったものを食べましょう。例えば、お粥や味噌汁に生卵を入れ、半熟状態にしたものを食べれば、タンパク質を補うことができます。

また、市販のサプリメントでもタンパク質を補うことはできます。栄養剤を添加してカロリーを高くしている濃厚流動食や、各種のビタミンや亜鉛、鉄分、タウリンなど27種もの栄養素を配合した『ブイ・クレスα』というドリンクタイプのサプリメントが販売されていますので、効率的に使うと良いでしょう。

床ずれを防ぐための効果的な栄養素とは?
 からだが低栄養状態になると褥瘡(じょくそう)、つまり床ずれを起こしやすくなります。人間の皮ふは主にタンパク質でできていますが、タンパク質の代謝酵素として亜鉛が必要だったり、皮ふの張りを保つためにはビタミンが必要だったりと、総合的に栄養を摂らないと皮ふが劣化し、床ずれができやすくなってしまいます。そこで、床ずれを防ぐために必要な栄養素と、その栄養素を多く含み、なおかつ高齢者が食べやすい食材を一覧にするので参考にしてみてください。

タンパク質
卵、牛乳、豚レバー、カキ

ビタミンC
アセロラ、甘柿、いちご、オレンジ

ビタミンE
せん茶、ひまわり油、コーン油、小麦胚芽、アーモンドパウダー

亜鉛
小麦胚芽、カキ水煮、さば節、粉チーズ

アルギニン
ゼラチン、大豆タンパク粉、ピーナッツパウダー、ごま

低栄養を現す身体の状態とは?
 栄養状態が悪くなりますと、からだの様々な部位に症状が現れます。その症状によって不足している栄養素がある程度は判断できますので、以下を参考に必要な栄養素を補うようにしてください。

皮ふ
皮ふは、栄養状態を表すバロメーターのようなものです。乾燥してシワが目立つようになれば水分やビタミンCが、点状の出血が見られる場合はビタミンCが、色素が落ち白くなっているような時はタンパク質が、ツヤがなくなっているような時はビタミンA・Eが、それぞれ不足しています。

髪の毛
髪の毛のツヤがなくなって乾燥し、コシや張りがなくなっているような時は、タンパク質が不足しています。


乾燥してドライアイ状態になったり、白い部分に黄色の斑点が見られたりするような状態は、ビタミンAが不足している証拠。ビタミンAは鶏レバーや緑黄色野菜に多く含まれる栄養素ですので、それらを多く摂るようにすると良いでしょう。

歯ぐき
歯ぐきが腫れて炎症を起こしたり、その状態よりさらにひどくなって出血したりしているような状態は、ビタミンCが不足している証拠です。

くちびる
口の両端、いわゆる口角がひび割れたり、またそこから出血していたりするような時は、ビタミンB2が不足しています。ビタミンB2はレバーや卵に多く含まれています。


舌にポツポツと赤い斑点ができたり、赤くただれたりするような状態の時は、ナイアシンが不足しています。ナイアシンはかつおやマグロなどに含まれますので、魚類を多く摂るように心がけましょう。

市販の栄養食を上手に取り入れよう
 低栄養状態にならないためには、日々の食事でバランス良く栄養を摂ることが理想的ですが、自宅で食事を作る時はなかなか難しいでしょう。そんな時は、以下のような市販の栄養剤を取り入れるのも良いでしょう。

濃厚流動食
一般的な食事に使われるような材料を細かく砕いて液状化した栄養食品で、必要な栄養素をバランス良く摂ることができます。それを単体で食べたり飲んだりするのも良いですが、ゼラチンで固めたり、アイスクリームにしたりと工夫を凝らすことで、よりおいしく食べられます。

プロッカ
1カップに牛乳180 mlと同量のタンパク質とカルシウム、亜鉛が配合されたフルーツゼリーです。からだへの消化吸収が良いポリペプチド型のタンパク質ですので、牛乳が飲めないような人でも栄養を摂ることができます。また、脂肪や乳糖を含んでおらず、喉ごしが良いため嚥下障がいのある人も飲み込みやすくなっています。

ブイ・クレスα
1日の摂取基準平均の2~3倍のビタミンが12種類、さらに4種類のミネラルが配合された、ドリンクタイプのサプリメントです。桃や洋なしといったフルーツ味になっており、デザート感覚で必要な栄養素をバランス良く摂ることができます。

水分補給剤
水やお茶が飲めないような人には、アイソトニックゼリーがお薦め。固さやまとまり具合などが、嚥下(えんげ)障がいのある人に最適です。ただし、誤嚥を防ぐためには離水しないような商品を選ぶことが大切です。

カテキンパワーでお腹の調子を整える
嚥下障がいはもちろん、飲み込むのが難しいという人でも、上記のような市販の商品を使えばおいしく食事を楽しめるはずです。『ブイ・クレスα』は、飲料としてそのまま飲んでも良いですし、それが難しい場合はゼラチンを加えてゼリー状にして摂るのも良いでしょう。

また、デザートとしてはお茶ゼリーがお薦めです。水分が補給できるだけでなく、お茶に含まれるカテキンが腸内の悪玉菌を減少させ、善玉菌を増やす効果があるため、お通じが良くなったり悪臭便の改善を図ったりすることができるのです。その他、ヨーグルトなどのデザートに緑茶の粉末をふりかけるといった方法も、効果が期待できますよ。

 



お読み頂いた記事は参考になりましたか?より有益な情報は会員限定のメルマガで無料配信しております。
矢印まずはメールアドレスを入力して会員登録してください。


関連記事
日常生活で行う動作の1つ、起き上がりの介助法とは
四肢マヒでも介助が楽になる方法とは?
下半身マヒでも自らの力を使って寝返ることはできる?!
片マヒだからと言って寝たきりになるのは当たり前というのは嘘
たった3つの動作だけで寝返りの介助が楽になるって本当?
介護は特別なことではない!日常の動作から学ぶ負担の掛からない介護とは
夫婦で一緒に入浴する方法とは
手を離すのが怖いという方への介助方法
浮力を利用すると力を入れずに浴槽から出ることができる。
安定して浴槽につかるには、前かがみの姿勢を保つことが大事

Facebookをされている方は以下より「いいね!」して頂ければ、定期的に情報を配信致します。