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言語障害には3種類の障害がありコミュニケーションの配慮が異なります

言語障害は、脳血管障害などによって、脳の言語中枢がダメージを受けることによって生じる失語症や言語中枢はダメージを受けていないが、運動中枢がダメージを受けたために、発声・発語にたずさわる器官への指令に障害が起きる運動性構音障害が代表的なものとなります。

失語症は、①相手の言うことばが理解出来ない、②相手に伝えたいことがあるのに話せない、③文字が読めない、④文字が書けない、⑤計算が出来ないという状態になります。

運動性構音障害は、①ことばが不明瞭になる、②声の大きさ、高さ、持続時間の異常が生じる、③声の大きさや高さが一様となり、単調な発話、発話速度の変化、発話リズムの乱れなどが生じるという状態になります。運動性構音障害が失語症と異なるところは、相手の言うことは理解することが可能であり、文字を読んだり書いたりすることも出来ることであります。

◆失語症の人とのコミュニケーションについて

①普段よりゆっくり、短く、わかりやすい言葉ではっきり話す

②具体的な内容について話し、話題を急に変えない

③「はい」、「いいえ」で短く答えられる閉ざされた質問をする

④一度でわかりにくい時は、くり返し話したり、伝え方を工夫する

⑤言葉でわかりにくい時は、絵、写真を使ったり、身振りや表情を駆使する

⑥なかなか理解出来ないときは、実物を示したり、実際にその場に行って話す

⑦話しを聴くときにはゆっくり待つ

⑧大切な内容の時は、正しく理解出来たかどうか確認する

◆運動性構音障害の人とのコミュニケーションについて

①話しに耳をしっかり傾ける

②閉ざされた質問をすることで、言いたいことを絞り込んでゆく

③短くゆっくり言ってもらう

④わかったふりをしない

⑤発語が困難な場合には、筆談やコミュニケーションボードなどを使用する

⑥流涎への配慮や対応を工夫する

⑦姿勢が安定するように配慮する

介護職が介護ケアのサービス・支援を、失語症や運動性構音障害の利用者に行うことになった場合には、言語聴覚士(ST)やPT、OTなどのリハビリスタッフからコミュニケーションについてのアドバイスを受けることが、利用者それぞれの障害に対する理解と対応を知ることで、利用者に添った介護ケアの提供が可能となると考えられます。



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