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掃除は感染症の防止だけで無く利用者のQOLの改善にもつながります

訪問介護サービスで訪問介護員が行う家事援助の掃除は、清潔の保持や生活環境の改善を目的とします。生活環境の改善や清潔の保持は、感染症の原因となる病原性微生物などの排除や繁殖を防ぐと共に、利用者のQOLの改善にもつながります。

掃除のサービス・支援の提供を室内で行う場合には、窓を開けて換気を行いながら、ほこりを立てない掃除を行う必要があります。ホウキやハタキの使用は、ほこりを空中にまき散らすので控えるようにします。ほこりの除去は、フィルター付きの掃除機や濡らしたぞうきん、化学ぞうきんを使用します。濡らしたぞうきんは、使用後は良く洗浄して乾燥させる必要があります。

掃除を行う際には、ほこりに含まれているダニやカビ、昆虫片、ペットの体毛などによるアレルギーや結核菌による結核、カビが原因となる真菌症などへの感染、発症に注意が必要となります。

水回りの清掃は、カビや病原性微生物の繁殖を防ぐためにも、風呂やトイレ、便器などは良く洗浄して乾燥させることが必要です。台所の掃除も濡れたままではなく、乾いたふきんで水分を取り除き乾燥させる必要があります。

室内の消毒は、吐物や血液、体液、排泄物などによる汚染・汚損が見られない限り、通常の清掃では必要無く、ほこりや汚れの除去を心がける必要があります。

掃除だけでなく、室内の整理・整頓や不要品の弁別、処分なども、ほこりの堆積やカビの発生を防ぐためや転倒などの事故防止のために必要なサービス・支援となります。

布団は、天日干しによる日光消毒が好ましいと考えられますが、布団乾燥機などの使用もダニなどの対策としては有効と考えられます。

感染症の予防としては、介護職員はスタンダード・プリコーションを行うと共に、掃除の後にはうがい手洗いを励行する必要があります。

介護職員は、掃除のサービス・支援を行う事で、室内の清潔保持と生活環境の維持・改善を図り、感染症の予防と利用者のQOLの向上を目指すことになります。



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