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要介護者のことを熟知している家族こそが介護の主役

専門家ではなく家族が主役の理由
 介護の主体は言うまでもなく要介護者。その人のための生活や関係性をつくることが最重要課題であり、性格や考え方、好きな物や事柄を知ることで介護方針を決定し、そこで初めて介護生活がスタートするのです。

そう考えますと、その時点で最も重要な役割を担うのは他でもない、要介護者の一番近くにいる家族です。何をすれば楽しいと思うのか、前向きに生きる気持ちをもつのかを知っている家族こそが、介護の主役となるのです。

もちろん、介護士やヘルパー、ケアマネージャーといった専門家もいますが、初対面で要介護者の心情心理をつかむのは難しいもの。アドバイスなどをもらったり、テクニックを駆使してもらったりといった専門的なことはどんどん任せれば良いのですが、その前の段階の、「要介護者本人にとってのより良い介護方針」を立てるためには、家族が主役にならなければなりません。

そうして介護方針を立てた後は、「介護する人とされる人」が良い関係を築いていくことが大切ですが、実際は難しい局面に相対することが少なくありません。以下、「難しい介護関係」の例を挙げますので、傾向と対策を頭に入れておいてください。

<嫉妬>
 一般的には、妻が夫を介護するケースが多いようです。ここで問題となるキーワードが「逆転」です。それまでは夫が働いて妻をはじめとした家族を養ってきたのが一転、今度は妻が夫の生活の世話をすることで、自由に動ける妻に対して夫が「嫉妬」という感情をもつようになるのです。

身近で接してきた夫婦であるがゆえに、嫉妬は大きくなります。こうした場合は、妻が関与しない夫だけの生活空間を確保することで、介護関係が改善するケースが多いようです。

<ルール>
 やろうと思えばどこまでもできるのが介護ですが、なし崩し的に何もかもをしようとするのは良くありません。介護する人が疲れていたり時間がなかったりする時は、できることも限られてくるでしょう。介護される人からしても、「いつもはしてくれることを、今日はしてくれなかった」といった不満がストレスにつながることもあります。

そこでおすすめしたいのが「ルール」です。介護方針を立てる時に、することとしないことの区別をつければ、煩わしい感情はなくなります。ルール通りにできなかったら「ごめんなさい」、ルール以上のことをしたら「ありがとう」。こうした言葉のやり取りが、より一層、関係性を向上させていくはずです。

<卑屈>
 要介護者に多いのが、「要求が多い」「頑固だ」といったタイプです。「あれもして、これもして」と要求が募り、いくら献身的に介護をしても「ありがとう」の一言もない。はたまた、自分のからだに自信を失い、卑屈になってしまう高齢者もいます。

良い関係性を保つためには、あくまで精神論になってしまいますが、介護する人もされる人も横柄にならず、なおかつ卑屈にならないこと。ありのままの現状を受け入れることが大切です。

 

 

 



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