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-下血-下血が見られたらあわてず確かめなければならない5つのポイント

下血とは、血液が肛門から排出されることです。真っ赤な鮮血である場合と、赤黒い暗赤色をした出血の場合や血便、粘血便、タール便などの便に血液が混じる状態も下血となります。出血量が多ければ下痢便のように、排便を我慢することが困難になります。

出血部位は、大腸や直腸、痔であることが多いものの、食道・胃・十二指腸の上部消化管から小腸、大腸などの下部消化管まで、消化管全域で生じ得るものであります。出血量と出血部位によって腸管内の通過時間が異なるために、下血は様々な性状を示すものとなります。

下血の主な原因疾患には、上部消化管疾患、大腸がん、腸炎、痔核などがあります。

≪下血の原因≫

①上部消化管疾患:胃潰瘍、十二指腸潰瘍など

②腫瘍性疾患:大腸ポリープ、大腸がん、悪性リンパ腫など

③腸の憩室:大腸憩室炎など

⇒大腸憩室は、約10%の人に見られ、特に高齢者には大腸に≪憩室≫と呼ばれる袋状の突出が腸管の壁に出来て炎症が生じるために出血が起きる。

④慢性の腸感染症:腸結核、腸アメーバ症

⑤腸管の壊死:虚血性腸炎、腸重積など

⇒虚血性腸炎は、腸血管が閉塞して血流が遮断されるために、腸管の一部が局部的に壊死する疾病で、高齢者の下血の原因としては少なからず見られる。腹部の激痛を伴う。

⑥薬剤性腸炎:急性出血性腸炎、偽膜性腸炎など

⑦感染性腸炎:食中毒など

⑧炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎やクローン病など

⇒腸の内壁に潰瘍が出来ることで出血を起こし、排便回数も増える。

⑨便秘:直腸粘膜脱症候群(排便時の息み過ぎ)、直腸潰瘍

⑦痔核:内痔核

など

≪下血の際の留意事項≫

①急性に発症したものか慢性に見られるものなのか

②下血の色が鮮血色か暗赤色なのか

③便に混じる血か便とは別に出血が見られたか

④食事内容はどのような食材を用いたか

⑤薬剤はどのようなものを服用しているか

など

下血が見られた場合には、留意事項を確認した上で、主治医や医療機関への受診を、速やかに検討する必要があると考えられます。

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