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-唾液減少-唾液分泌量は30歳頃には1.5L/日だったものが高齢者では0.5L/日まで減少が?

唾液の分泌が無くなると、噛めない、飲み込めない、味がわからない、話が出来ないなど、心身の状態に著しい支障が生じることになります。唾液は、無意識のうちに分泌されているように感じられるだけに、あまりその機能や働きを意識することが少ないと考えられます。唾液の分泌は、ヒトが生きてゆく上で、とても大切な役割を持っている仕組みであります。

≪唾液の働き≫

1.保湿作用:口の中の水分を保って乾燥を防ぐ

2.消化作用:消化液として働く

3.湿潤作用:食物を柔らかくしたり食塊を形成しやすくすることで飲み込みやすくする

4.溶解作用:食物の味成分を溶かして舌に味を感じさせる

5.粘膜保護作用:口の中をきれいにして口腔粘膜を保護する

6.保護・修復作用:歯を石灰化して歯を守る

7.抗菌作用:口の中の細菌が増殖することを抑制する

8.中和作用:酸やアルカリを和らげる

など

唾液は、1日0.5~1.5L分泌されているといわれており、30歳頃が最大の分泌量で、40歳を過ぎると減少して行き、高齢者になると少ない人では0.5L程度になるとされています。安静時の唾液量は、0.2~0.5ml/分、食事中の唾液流量は、約4ml/分、睡眠中の唾液量は、0.1ml/分以下とされています。

高齢者では、ストレスや薬剤(約400種類)の影響、咀嚼回数の減少、咀嚼力の低下などが原因となって、唾液の分泌量が減少するために、口の中が乾燥する≪口腔乾燥症(ドライマウス)≫が引き起こされることが多くなります。口やのどが渇く、食事が摂りにくい、発音がしにくいなどの症状が見られることがあります。

≪口腔乾燥症の予防≫

▼かむ回数を増やして唾液の分泌を促す

▼こまめに水分補給をする

▼うがいの回数を増やす

▼室内の温度・湿度に気をつける

よく噛むことことが、咀嚼能力の低下を防ぐことになり、心身の老化防止に効果があるとされています。よく噛むことは、唾液の分泌を促して、消化を助けるだけでなく、脳の働きを活発にしたり、ホルモンの分泌を促したり、様々な好影響を心身に及ぼすとされています。

食物を噛む力が衰えると、食事量が減ることになり、十分な栄養を摂取することが困難になるだけでなく、唾液の分泌量が減少することになります。高齢者の咀嚼力が低下することで、唾液の分泌量が減少して、唾液の作用が十分に働かなくなることで、齲歯(むし歯)や歯周病となってしまい、歯を失う危険性が高くなります。歯を失ってしまうことで、さらに咀嚼力が低下し、唾液の分泌量が減少、齲歯や歯周病になり、歯を失うという負のスパイラルが生じてしまいます。

歯を失わないためには、口腔ケアを行って口腔内を清潔に保つことによって、病原微生物の感染、繁殖の予防や歯の保護・修復のために、唾液の分泌を促すことが必要となります。歯を失った場合には、義歯などで補綴(ほてつ)することで、咀嚼能力をある程度は回復することが可能となりますが、義歯では咀嚼能力には明らかな低下が見られ、QOLへの影響は避けられないと考えられます。

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