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栄養障害は過栄養より低栄養が高齢者では危険です

メタボリック・シンドローム、糖尿病、内臓肥満などの過栄養が問題とされていて、高齢者でもその対策を講じなければならないとされています。≪中年期男女におけるBMIと死亡率との関連≫研究では、BMIが23.0~24.9の死亡率を1とした場合に、10年間の追跡調査を行った結果では、肥満の人よりも痩せの人の方が死亡率が高いという結果が出ました。

この研究の結果では、最も死亡リスクの低いBMIは、男性では23~27辺り、女性では19~25辺りとされており、中年期から老年期でのBMIは、標準体重は22とされていますので、男性では標準体重以上、女性は標準範囲の体重が最も死亡リスクが低いと考えられます。

栄養状態の指標として、≪身長体重比≫があります。≪身長体重比(%)=(測定体重(kg)/標準体重(kg))×100)≫は、BMIが22を標準体重として算出した体重とします。90%以上:正常、80~90%:軽度栄養障害、70~80%:中度栄養障害、70%以下:高度栄養障害とされます。

栄養障害・低栄養の問題点は、●免疫・抵抗力の低下、●骨量や筋量、筋力の低下と転倒・骨折の危険増加、●気力・体力の低下による不活発、●認知機能の低下などが引き起こされることが考えられることによります。そのために、IADLの低下、ADLの低下はもちろんのこと、身体の余力が失われることで、免疫・抵抗力の低下だけでなく、体力・気力の回復力も低下してしまい、死亡率にあるように生命予後にも影響を及ぼす事にもなります。

低栄養で見られる状態は、▼体重低下:月5%以上は注意、▲易炎症性:皮膚の炎症を起こし易い、▲治癒能力低下:傷がなかなか治らない、▲易感染性:感染症の抵抗力が低下する、▲むくみ:低アルブミン血症、▲口渇、唾液の粘性増加、▼食欲低下、▼意欲・気力・体力低下などが引き起こされます。

低栄養の要因は、加齢に伴う生理的・病的老化に起因する、様々な生活機能の低下によります。

1.社会的要因:●独居、●介護力不足、ネグレクト、●孤独感、●貧困

2.精神的心理的要因:●認知機能障害、●うつ、●誤嚥・窒息の恐怖

3.加齢の関与:●嗅覚、味覚障害、●食欲低下

4.疾病要因:●臓器不全、●炎症・悪性腫瘍、●疼痛、●義歯など口腔内の問題、●薬物副作用、●咀嚼・嚥下障害、●日常生活動作障害、●消化管の問題(下痢・便秘)

5.その他:●不適切な食形態の問題、●栄養に関する誤認識、●医療者などの誤った指導・援助

低栄養の原因となる生活機能への取り組みは、生活機能の維持・改善のために、やりたいことやれることに取り組むための関わりを行ってゆくことが必要と考えられます。QOLを高めて、快適な日常生活を過ごしながら、食生活を楽しく行いつつも、必要十分な栄養と水分が補給されるような日常生活が求められます。

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