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高齢者に多い感染症は内因性感染症と外因性感染症があります

ヒトの感染症などに対する感染防御の仕組みは、①危険忌避行動:感染の危険を予知して近づかない、触らない、飲食しない、②解剖・生理的防御:皮膚・粘膜障壁、体液の円滑な流れ、非特異的液性因子、③自然免疫・獲得免疫などによる重層・包括的な構造になっています。ヒトは、感染防御の仕組みが破綻したときに、感染症に罹患しやすくなります。

高齢者は、遺伝的に優れた感染抵抗性(抵抗力)を持つだけでなく、加齢に伴って様々な病原性微生物に遭遇しながら勝ち残り、獲得免疫を取得していると考えられます。加齢に伴う生理的老化によって、感染抵抗性が低下することになり、胸腺⇒T細胞系⇒B細胞系⇒NK細胞⇒樹状細胞⇒腸管の順に免疫能が機能障害に陥ることになります。感染抵抗性は、それぞれの免疫能に病的老化が生じる事で、機能障害に個体差が大きくなると考えられます。

高齢者に多い感染症は、病原性微生物の由来から、≪内因性感染症≫と≪外因性感染症≫に大きく分けられます。

≪内因性感染症≫

●口腔内常在菌⇒歯周病感染症、誤嚥性肺炎

●腸内常在菌⇒尿路感染、褥瘡感染、胆道感染、腹膜感染(腹膜炎)

●皮膚常在菌⇒毛嚢炎、静脈留置カテーテル(敗血症)

≪外因性感染症≫

●インフルエンザ、ウイルス性胃腸炎など

●疥癬

●集団食中毒

※多剤耐性菌感染症:MRSA、MDRPなど

※血液媒介型感染症:B・C型肝炎、HIV、梅毒

※結核:高齢者では、潜伏持続感染の再燃(内因性感染)。若年者では外因性感染

内因性感染症の原因となる常在菌は、宿主(常在菌の住み処となっているヒト)と共存共栄しているが、宿主の基礎疾患が悪化して体力の低下が引き起こされることなどにより、常在菌が住み処以外の場所に移った場合に、感染症の原因菌となって日和見感染し、感染症として発症することになります。

結核は、高齢者が若年であった1950年代までの我が国では、結核菌が蔓延しており、その当時に外因性感染により感染したものの、発症せずに保菌者となったものが、高齢になって内因性感染として潜伏持続感染が再燃したものであります。

外因性感染症は、外部環境から病原微生物が侵入して発症するもので、ヒトーヒト感染を引き起こすことから、集団感染の危険性が大きく、疾病によっては体力低下や基礎疾患のある高齢者にとっては、生命予後に重大な影響をおよぼす可能性もあり、感染経路の遮断や水際での予防と、スタンダードプリコーションなどの対策が必要となります。

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