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慢性閉塞性肺疾患(COPD)は有毒な粒子やガスの吸入によって生じる疾患です

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた呼吸器の疾病の総称で、「COPDとは有毒な粒子やガスの吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく進行性の気流制限を呈する疾患である。この気流制限には、様々な程度の可逆性を認め、発症と経過が緩徐であり、労作性呼吸困難を生じる」と定義されています。

NICEstudy(Nippon COPD Epidemiology Study)の結果では、40歳代で3.1%、50歳代で5.1%、60歳代で12.2%、70歳代で17.4%となっており、COPDの発症と経過が緩徐であることから、老年期に入ることで罹患率が急上昇するのは、加齢による呼吸機能の病的老化が、喫煙という有毒な粒子やガスの吸入を繰り返していた、もしくは繰り返していることで生じたと考える事が出来ます。

NICEstudyの結果から、40歳以上の日本人のCOPD罹患者は、約530万人、70歳以上では、約210万人と推計されています。平成23年死因簡単分類別の死亡数・死亡率では、慢性閉塞性肺疾患の死亡者数は、16,639人(男性・12,998人、女性・3,641人)、10万人当たりの死亡率は、13.2人(男性・21.2人、女性・5.6人)となっています。全死亡者数では、糖尿病の14,664人、くも膜下出血の13,460人より多くの方が亡くなり、男性では、肝疾患の10,664人、腎不全の11,587人よりも亡くなっている疾病であります。

COPD罹患者の多くは、慢性の咳、慢性の痰、労作時の呼吸困難がある高齢者と考えられています。NICEstudyの結果でも、90%のCOPD発症者が診断を受けていないという事実からも、病的老化によってCOPDが発症しているにもかかわらず、加齢による生理的老化による症状と考えてしまっている場合が多いと思われます。

COPDは、タバコの煙を吸入することで、肺の中の気管支に炎症(慢性気管支炎)が起きて、咳や痰が出たり、気管支が細くなってしまうことにより、空気の流れが低下(気流制限)します。また、気管支が枝分かれした奥にある肺胞が破壊されて、肺気腫の状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出を行う機能が低下してしまい、治療を行っても元に戻ることはありません。

COPDの症状は、慢性の咳や痰、歩行時や階段の上り下りなど、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難です。症状が進めば、少しの動作でも呼吸が苦しくなることがあり、休み休みでなければ動作が行えなくなってしまいます。最重度COPDになれば、長期酸素療法(在宅酸素療法)が検討される事になりますが、我が国の長期酸素療法患者の5年生存率は、約40%という報告がされています。

COPDの日常生活での留意点は、①禁煙、②COPD以外の呼吸器疾患への罹患予防、③効率の良い栄養摂取と疲労回復、④呼吸リハビリ(安楽な呼吸法の習得と実践)などであります。インフルエンザや肺炎の罹患は、COPDを増悪させ生命予後にも影響を及ぼすこともあり、インフルエンザワクチンは全COPD患者に、肺炎球菌ワクチンの接種が65歳以上の高齢者や一定の状態にあるCOPD患者には勧められています。また、身体障害者手帳の取得や介護保険の利用もQOLを考えた上で検討される事が必要と考えられます。

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