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加齢による日常生活の変化は睡眠と睡眠習慣が影響します

老年期の日常生活で誰にでも見られる大きな変化は、夜間の睡眠の量と質に変化が見られることです。夜間の睡眠は、脳と身体の休息と身体のメンテナンスを行う、ヒトの健康を維持するためには大切な時間であります。加齢にともなう生理的老化によって、睡眠の機能が低下して、老年期までと比べると夜間の睡眠の量が減少し質が低下することになります。

睡眠の機能の低下だけでなく、臓器や器官の機能に老化が現れるために、入眠困難、睡眠中断、中途覚醒、早朝覚醒など、夜間の睡眠に支障が起きることがあります。夜間の睡眠に支障が生じることで、さらに睡眠の量が減少したり、質の低下が起るばかりでなく、日中の生活行動に支障が起きることもあります。その結果により、夜間の睡眠の支障が、さらに深刻な状態になるというくり返しが起きるという、負のスパイラルが生じる可能性があります。

生理的な老化による睡眠の機能が低下することを防ぐことは困難であっても、良い睡眠習慣を獲得・維持するための取り組みは、三度の食事を摂り、日中の活動性を高め、良い睡眠環境を整えることを行うことが、健康維持にもつながることになり、病的老化を防ぐだけでなく、生理的老化の進行を抑えることにもなると考えられます。

介護職が介護ケアを提供する利用者の日常生活の変化に対する取り組みは、利用者の能力に応じた自律した生活を支え、利用者に添ったかかわりを行うために、利用者の老化の状態を知ると共に、利用者が≪やっていること≫、≪やれること≫、≪やりたいこと≫を知ることが大切です。

利用者の≪やっていること≫を継続し、≪やれること≫を目指し、≪やりたいこと≫に向かうためのかかわりを行うためには、心身の機能を把握して、利用者の老化の状態を知った上で、適切なアセスメントを行うことが必要となります。アセスメントに基づいて、ケアチームが協働を行うことで、利用者の尊厳を支えながら、利用者が主体となる取り組みが行われる事が求められます。



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