さんさんストリートさん、はじめまして。おじいさまのお加減はいかがでしょうか。ご両親もさんさんストリートさんもおじいさまをとても大切にしていらっしゃることが伝わってきて、心が温かくなりました。
さて、お訊ねの老健についてですが、確かにさんさんストリートさんのご家庭のように在宅復帰を目指されるのに、最適の施設だと思います。インターネットなどでお調べになってご存知かとは思いますが、老健は介護老人保健施設の略称で、病院と在宅生活をつなぐリハビリに重点を置いた中間施設です。ですから、在宅生活に戻るためのリハビリに重点が置かれています。
主治医の先生は、さんさんストリートさんのご両親の在宅復帰を目指したいという意向を汲んで老健をすすめたのだと思いますから、リハビリ等についても念頭に置いていらしゃるはずです。ただ、さんさんストリートさんが心配されている通り、最近は特養（特別養護老人ホーム）の入所待ちの間のつなぎの施設として長期収容施設と化している老健も少なくありません。
おそらく流れ的に、病院から施設を紹介されていると思いますので、入所前に一度見学に行って、リハビリをきちんと行っている施設か、確認されてはいかがでしょうか。
もし、そうでないようなら、もう一度病院かおじいさまの担当のケアマネさんに相談し、きちんとリハビリを行ってもらえる施設を探しましょう。
適切なリハビリで、おじいさまが１日も早くご自宅に戻れること、お祈りしています。

老人保健施設のリハビリは、病院のリハビリとは違い、あまり強制的なものではありません。とはいえ、退院後にリハビリをしなければ、すぐに寝たきりになってしまうと思われます。
病院では本人が辛がったりしても、どうにか励ましてできるだけリハビリをさせるわけですが、おそらく老健施設ではそこまでの事はしないと思われます。
また、おじい様を施設が預かるわけですから、転倒や怪我などを避けるように病院よりも過敏な対処があるかもしれません。
それでも、転倒してしまうような事は施設ではよくある事だと思います。
若い人であれば、リハビリをすれば、殆ど元のような状態に回復したり、全部の回復が無理であっても、その状況に応じた生活に適応しようとして行くわけですが、おじい様の年齢がおいくつぐらいかわかりませんが、老齢の方の場合は、それでなくともどんどん四肢が退化して行っているわけです。そういう状況で、若い人と同等のようにリハビリを行ったとしても、中途半端に回復する事でより転倒の危険が増えるというリスクが生じます。
本当に、ただ、椅子から立ち上がろうとしただけ、ベッドから起きて立ち上がろうとしただけのような事で転倒してしまう事もあります。
老齢の方が転倒された場合、なかなか自分で受身が出来なかったりしますので、怪我、骨折、打ち所が悪ければ…という事は充分考えられますし、老人保健施設は、それ程多くの介護士を置いているわけではないので、目を離さないように注意していても、限界があるのです。ですから、怪我をさせないように、寝たきりにはならない程度のゆるいリハビリを行うような老健もあると思います。
実際、ご自宅で介護される場合は、ご家族がおじい様が転倒されないように、ずっと注意し続けなければならないでしょう。
さんさんストリートさんが、今後おじい様にリハビリを続けながらどのような生活を送ってもらいたいのか？
年齢にもよりますが、ご老齢の場合は元に戻す事は無理と想定して考えて下さい。
そして、ご自宅におじい様が戻ったら、ご家族などれだけの介護が可能か？何が家族に出来て、何が無理だから、介護保険を利用すべきなのか、そこをもう一度よくケアマネさんと相談されて考えてみて下さい。

老健に入所して、自宅に戻られる方も勿論いらっしゃいますし、家族の希望でいつでも退所する事は可能です。
また、家族の希望があれば、いつでも自宅に帰る（外出）事も可能です。旅行に連れ出す事も可能でしょう。
多くの老健を転々とされる（気に入る所が見つかるまで）方もいらっしゃるそうです。
ですから、老健からおじい様が自宅に帰れないという事は無いと思います。入所しても家族の希望でどうにでもなると思います。　
ただ、リハビリは保険で受けられる期間が決まっているので、ご自宅で介護される場合、それを過ぎたら自費でリハビリを受けるか、リハビリのあるデイサービスに通うというような方法になると思います。デイサービスのリハビリも色々あると思いますが、デイだと病院のリハビリほどの期待は難しいと思われます。