アイリスさん、はじめまして。やりがいのあるお仕事をお持ちなのですね。すばらしいですね。文章を拝見していると、会社で生き生きとエネルギッシュに働くアイリスさんの様子が伝わってくるようです。きっと、多くの業務にキビキビと対応なさってこられたのだと思います。けれど、今はその頃のようにはいかず、きっとご苦労なさることも多いのではないかとお察しします。
思うに、ご病気の方や、介護を必要とされる高齢者の方は、心も体もゆっくりとしたスピードになるのではないでしょうか。「相手のペースに合わせながら、その場でその人を感じながら話を進めていく」というのが大切だと思うのです。そして介護ヘルパーさんは、そういう話し方に慣れている人が多いのかもしれません。（もちろんお一人お一人のキャラクターにもよると思います）
そういう介護の現場では、一般企業のように、要点だけをつかみ出すような合理的なコミュニケーションスタイルや、正面切って意見を戦わせるような相手への対応は、あまり似つかわしいものではないのかもしれません。相手の様子をうかがいながら、心や体をいたわりながら、というのが先に立つ話し方になることもあるでしょうし、結論が早急に出せないこともあるでしょう。ある意味、合理性や論理性とは正反対の部分もあると思います。
アイリスさんにとって、そういう部分は「なんとなくまどろっこしい」と感じられる無駄な時間なのかもしれません。けれど、できればもう少し長い目で見て、話全体をとらえるようにしてみてはいかがでしょう。お母さんが話を途中でやめてしまうのには、なにか原因があるのかもしれませんし、ヘルパーさんが遠回しに話す言葉の裏に大切なことが隠れている場合もあります。そういう、一見冗漫に見える会話を通じて、他人とかかわりあっていく、そういうスタイルもあるのです。
会社以外の社会を見ることができる、とても貴重な経験を毎日なさっているのだとお考えになって、どうかそのスタイルを見つめてみてくださいね。聡明なアイリスさんでしたら、きっとうまくいくと思います。応援しています。