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老人ホームマップ > あなたがご意見番

問

「あなたの知っている施設は、入居者家族と密な連絡関係を築いていますか?」調査結果(調査期間: 2007/01/15 ~2007/01/24)

「普段の様子をまめに報告してくれるので安心」「聞いてもあまり教えてくれないので心配」 施設によって入居者家族との関係の築き方は様々のようですね。あなたの施設はどうでしょう? 密接に連絡を取り合う関係ですか?

結論

 老人ホームマップに寄せられるクチコミの中でとりわけ印象的なのは、

 

「親の普段の様子をまめに報告してくれるので安心します」
「聞いてもあまり教えてくれないので、私の目につかないところでどのような扱いを受けているのか心配です」

 

 といった、“施設との連絡関係”について気にするもの。こうしたクチコミは、特に「嬉しかった点」「不満だった点」として語られることが多いようです。つまり、施設と利用者の連絡関係――つながり――は、施設に対する信頼感を表す一種の尺度であり、目安であるということです。
  そこで今回は、『あなたの知っている施設は、入居者家族と密な連絡関係を築いていますか?』というテーマをもとに、皆様のご意見を募らせていただきました。
  施設と利用者との連絡関係の実態、
  連絡関係の在り方、
  あるいは利用者側のニーズ。
  そういったものを以下で汲み取ることが出来たら、と思っています。
  それではさっそく、あなたがご意見番!!、調査結果に参りましょう。


1.結果報告


はい  
 
   
 
  いいえ
65%
     
35%

密な連絡関係を築いている:65%

 施設が入居者家族と密な連絡関係を築いていると答えたのは全体の65%の方々です。およそ三分の二の方々がYESと回答されています。ただ、その内容の方を確認すると、「細かな変化も連絡してくれる。」といったものから「月に一度家族に患者のリハビリ計画の説明があります。」「最低1週間に1度は訪問しているので、心配していない」まで、大きなバラつきが認められます。「YES」と言ったときの意味内容が、回答してくださった方々の間で大きく異なっているようです。この【あなたがご意見番!!】結果報告ページでは、それぞれの方のご意見、意図を種類分けして紹介させて頂きますので、詳細については是非そちらをご確認ください。

 

密な連絡関係を築いていない:35%

 施設が入居者家族と密な連絡関係を築いていないと答えたのは全体の35%の方々です。数字的には決して楽観できるものではないとはいえ、ご意見を仔細に見ると、これが意外とポジティブな意味で回答されていることも多いようです。「密な連絡関係を築いていない」という回答の中には、ポジティブな意見とネガティブな意見が混在しているということです。このことは、「密な連絡関係を築いている」とした回答の中に、ネガティブな意見が散見されることにも通じています。
  つまり、施設利用者の方々の間で「求めるもの」のかたちが大きく異なっているということ。これはとても重大なことですので、本分析ページ後半で詳しく扱います。


2.あなたがご意見番!(前編)


密な連絡関係を築いている

「連絡はまめにいただいてます。問い合わせにもすぐ応対していただいてます。」(52 歳 女性)

「入居者の様子を家族に対してこまめに連絡してくれると思う。」(66 歳 男性)
「細かな変化も連絡してくれる。」(50 歳 男性)

[matuda]「問い合わせにもすぐ対応。」体制がしっかり整えられていることの証左ですね。
[hirano]こまめに、細かい、というのも気にしている側としては非常に助かります。

気遣いを感じる

「笑ったことや声をだした等変化があったときは話してくれる」(54 歳 女性)
「レポートなどで、詳しく様子を書いてあるものを渡してもらえたときは、ずいぶんの気配りに驚きました。また、電話で様子を聞いても親切に細かに説明してもらえます。」(55 歳 女性)
「部屋で滑ってちょっとした怪我をしたことがあり、その時も直ぐ医者に連れていって、現在は元気にしている旨をその日のうちに電話で報告してくれたことがあり、親切に感じました。」(57 歳 男性)

[hirano]入居者本人だけでなくその家族も一緒に考えてくれている、という雰囲気が感じられて嬉しいですね!

必要程度

「家族が知らなければならないような事項については(容態の変化とか)連絡はあります。それ以外は、こちらが質問すれば丁寧に答えてくれます。」(50 歳 女性)
「行った時の面会簿に、一言メモが貼ってあり、ある程度判り、必要に応じて、スタッフと話が出来る。」(58 歳 男性)
「連絡は頻繁ではありませんが、そこそこのタイミングで報告があります」(53 歳 男性)

[matuda]絶対に必要な事項についての連絡がしっかりとなされている。これが最低限の基準と言えるかもしれません。

充分とは言い難い

「充分とは言いがたい。やはり身近なヘルパーが1週間なら1週間というサイクルで変わったことなどを知らせてもらえたらうれしい。聞ける人と聴けない人がいるので。家族は普段の入居者の様子を知りたいので。」(53 歳 女性)
「不在時などの連絡を書き物でなどで徹底して欲しい」(54 歳 男性)
「職員にとって都合の悪い事しか話がありません。土日に帰ってくるのですが、家では殆んど椅子に座っています。」(65 歳 男性)
[matuda]「家族は普段の入居者の様子を知りたい」んですよね。このことをちゃんと理解してくれている施設が望ましいと思います。また、「職員にとって都合の悪い事しか話がない」という事例も寄せて頂きましたが、これなどは上記『気遣いを感じる』の項で紹介させて頂いた例などとは対照的です。こうした事例を確認した際に特に、「良い施設」と「不十分な施設」があるのだという介護市場の現状を強く意識します。適した施設を“探す”ことの重要性も再確認させられます。

[hirano]施設の方にもいろいろとご都合があるのでしょうが…入居していない人から見ると何も見えない、というのは非常に怖いんですよね。

だめ

「感染症が起こっても家族が面会にきたり日ごろの状態も家族に知らせていないので状態が悪くなっても家族はその前の状態を知らされていないので困惑している。」(28 歳 女性)
「あまりおしえてもらえない」(57 歳 男性)
「難しいですね この間母が食卓の椅子から落ちて整形外科に軽い打撲で通院してたそうなんですが施設から聞いてなかったですね」(55 歳 女性)

[hirano]信じられませんね!何を考えているのか本気でわかりません。わかり次第抗議していくしかないかもしれませんが、譲ってはいけないところだと思います。

不可解な対応

「施設側と意思疎通ができない。私が入所者の連絡責任者なのに、誰が入所者を訪問したか教えてくれないのは、理解に苦しむ。あとで、私から礼などしなくてはならないだろうに。」(54 歳 男性)

[matuda]施設の敷く体制の意図が理解できないとき、施設利用者としては不信感を募らせることになります。納得のいく理由、納得のいく説明。これらが提供されうるかが、ある種の鍵と言えそうです。

対応が遅い

「問い合わせとかに対して連絡はくれるが、遅い」(50 歳 女性)
「ほとんど連絡なし、日用品が足りないとか、電池ひとつでも連絡来るが、それ以外はまったく。そして、なかなか電話をとりついでくれない。外部との接触を嫌がる。」(61 歳 女性)
「生活状態は直接見ているので良く判る。事務連絡などで、CWに取次ぎが上手く行かない。これが意外と困る。」(44 歳 男性)

[hirano]全く無い、と比較してしまうとマシなようには思えてしまいますが、遅れによって大変なことになってしまうことも考えられます。緊急度の高い連絡まで遅くなるようであれば猛抗議したいところですね!

緊急時の対応がしっかりしていた/緊急時に連絡がなかった

「施設内で体調を壊して入院したことがありますが、すぐに連絡をくれてその後も様子を逐一報告してくれました。」(44 歳 女性)
「発熱があったとき、連絡を受けた。すぐ対応でき、事なきを得た。」(60 歳 男性)
「先日、義母の具合が悪くなったようですが、施設からは何も連絡が有りませんでした。後日、本人に電話をして話を聞きびっくりでしたが、大事には至りませんでした。」(41 歳 女性)
「ホームに行った時父が熱を出してぜえぜえ言ってた時がありましたが何もしてもらえなったです。事前に知らされてはいませんでした。」(58 歳 女性)

[matuda]緊急時の対応ひとつで、全く正反対の事例が報告されています……。

聞いたことは・・・

「聞いたことは詳しく話してくれる」(56 歳 男性)
「聞かないと教えてもらえず。」(57 歳 男性)

[hirano]うーん、このご意見から、聞けば詳しく教えてもらえるから聞こう、といえるほど単純ではないですよね…。施設職員、入居者家族双方の歩み寄りが必要である気がします。聞けば教えてくれるのならこまめに聞いてみる、こまめに聞けないから出来る限り連絡をして欲しい、など職員と利用者の関係に応じた関係が築いていけると良いですね!

施設側の姿勢

「普段、よく家族が行くので、その際に最近の様子や健康状態を担当スタッフが話してくれるが、一緒に考えるというのではなく、報告という形。特に関係を蜜にという姿勢ではない。怪我で入院した時は入院後に家族に連絡があり、責任をもってキチンと対応している。」(64 歳 女性)

[matuda]施設側が、特に関係を密にしようという姿勢ではない。但し、緊急時には責任をもって対応してくれる。こうしたスタンスの是非は、一重に利用者の考え方、方針との兼ね合いに依るものです。後に大きく扱いますが、施設のスタンスが多様であるのと同様、利用者側のニーズも多様であり、大事なのはその施設と利用者の考え方がマッチしていることです。

難しさを感じる

「連絡は、蜜に取ってくれるのですが、手土産を持っての訪問は、本当は迷惑しているのかなと受け止められる節があります。」(59 歳 男性)
「気がかりなことがあれば、すぐに連絡がくるし、こちらから様子を伺えば誰でも気楽に話してくれる。ただ報告が遅れることもあり積極的にこちらからコンタクトをとる必要があると思う。入所中に眼鏡がなくなって早急に対処して欲しかったのに担当者の多忙を理由に1ヶ月近く放置されたのには残念だった。」(58 歳 女性)
「連絡表に情況が書いてありますので様子は分ります。しかし実際には実態が適切ではないのではと疑うこともあります。」(68 歳 男性)

[hirano]家族同様に接している他人、という関係はあまり一般的でないため、ささいなことで疑心暗鬼になりやすそうです。本当の意味での家族になることは不可能ですが、サービスを提供する側と受ける側の家族、という関係を乗り越えることはできるのではないでしょうか。知らずの内に壁を作っているのは自分の方かもしれない、とお互いに思っていただけると良いな、と思います。

施設側の連絡に食い違いがある

「施設長と介護士で言うことが違うのがわからない。でもそれも仕方ない。施設は選べるほどない、売り手市場なのだ。」(51 歳 男性)
「事務方と現場の連絡悪し。それぞれに言う事が異なる。」(58 歳 男性)

[matuda]こうした食い違いは起こりがちなことですが、利用者としてはとても困ります!! このような場合、重要なことほどしっかりと確認しておくことが大事ですね。

こちらから改善するための対応策を講じた

「連絡がしっかりくるかどうかは、担当職員の性格と思われる。以前、担当を替えてもらったことがある。」(51 歳 男性)
「連絡体制についても入所の際に連絡先をしっかり調べますので不満はありません。」(52 歳 男性)

[hirano]職員の方、施設の事情を考えて自分の側でも行動する!大事ですよね!

隠さないのがいい

「家族への心遣いはよくしてくれていると感じます。例えば、施設内で疥癬にかかった人がいて、すぐにお知らせしてくれて、「家族の面会を控えてください」と電話があった。隠さないのが良いと思いました。」(57 歳 女性)

[matuda]施設の誠実さが反映されていますね。情報について風通しの良い施設は、そのぶん安心することができるというエピソードだと思います。


3.介護施設、入居者、入居者家族との心のつながり


姥捨て山からの脱却

 介護保険制度が施行され、介護の在り様が「措置」から「契約」へと移行しました。
  私たちは今、以前の時代と比べ、介護サービスについて、そのサービス利用者としての“権利意識”を強く持ち始めていると言われています。このことは<老人ホームマップの提案>にもあるように、「良いサービスを受けたい」「良いサービスを提供して欲しい」という私たちの意識の中にも顕著にあらわれています。

 

 それは、姥捨て山からの脱却です。

 

 では、その私たちの抱いた権利意識を、実際に私たちが受ける介護へと反映させる術はどこにあるのでしょうか。つまり、ただ「良いサービスを受けたい」と欲するのではなく、「良いサービスを受けるためにすることとは何か」、です。“私たち自身が受身でなく能動的に権利を実現する手立てはどこにあるのか。”これは、「聞く」「見る」「伝える」、“施設との連絡関係の在り方”に集約されるのではないでしょうか。(「伝える」ということについては【あなたがご意見番!!】の過去の調査「あなたの知っている施設は入居者の希望を聞き入れてくれますか?」にて特集しています。)

 入居した親が、そこでどのような生活を送っているのか。それを知ることができて初めて、充分な意味での「伝える」が実現できます。何を伝える必要があるか、何を考慮してもらう必要があるかは、状況に応じて変化するものだからです。(この点、要介護度が高ければ高いほど、入居者ご自身では要望が伝えられないというジレンマがあるのです。)
  その場所が入居者にとって「姥捨て山」になっていないことの確認及び連携は、介護施設、入居者、入居者家族相互の連絡関係が整っていて始めて実現されることだと思います。
  この連絡関係はある意味では「心のつながり」そのものです。

 

介護事故予防としての

 

 連絡関係の重要性については、もう一つ観点があります。施設内での生活、環境、体制についてよく知ることが出来る(聞くことが出来る)ということは、その施設の「風通しのよさ」を示唆しているということです。もう一つの観点とはつまり、このことが「介護事故」を予防する一つの目安になるかもしれないということなのです。

 ご存知でしょうか?
  私たちの権利意識――良いサービス、良い生活を、という考え方――が、一面では介護事故のリスクを増しているということを。
  例えば以前の介護では安全措置の一部として考えられていた「身体抑制」「拘束」等が今の世論においてはタブーとされています。この拘束禁止等の方針が「転倒」等のリスクを必然的に増しています。

 こうした場合のリスクマネジメントについて、やはりそれぞれの介護施設によって対応が異なります。
  国民生活センターの調査では、次のような興味深い結果が公表されています。

事故原因の究明については積極的な施設と消極的な施設とに2分される。
【消極的な施設の特徴】
① 利用者の心身機能の衰えが原因として、やむを得ないこととしている。
② 職員個々人の不注意と言うことで済ませている。
③ 誰もいないところで起こった事故は、原因不明として扱う。
④ 利用者の世話をしてあげているという考え方が強い。
【積極的な施設の特徴】
① 心身機能の低下に対応できなかった介護の内容を反省し、機能低下にあった介護を検討し、具体的な対策を取っている。
② 個人の不注意は何故起きたのか、マニュアルに問題があったのか等を明らかにし、個々の問題の解決に止めず、全体の見直しにつなげる。
③ 誰も見ていないところで発生した事故については、介護に関わった職員に確認した上で、推測できる原因を出し合い、改善に結びつけようとしている。
④ 利用者の立場に立つことを心がけている。

 施設が普段から入居者についてどのような姿勢をもっているのか。どのような体制で臨んでいるのか。これを知るだけでも、「親を預ける」側の私たちとしては、親が介護事故に遭う可能性を回避する大切な目安となります。
  相互の心のつながりを大事にできる環境が、不幸な事故を予防する手がかりとなります。

一方で

 以上、施設と密接な連絡関係を築き上げることの重要性について述べてきましたが、一方で、実際に親を預ける方の中には、必ずしも密接に連絡を取り合える状況にない方々がいらっしゃいます。
  今回のテーマは「施設が入居者家族と密接な連絡関係を築いているか否か」でしたが、それ以上に多数の方から「連絡関係を築くこと自体」に対するご意見を頂戴しました。
  それぞれの方にそれぞれの事情があります。また、それぞれの方にそれぞれの考え方があります。
  以下では、改めて皆様のご意見を拝見し、この問題について更に深く捉えていきたいと思います。


4.あなたがご意見番!(後編)


もっと連絡が欲しい

「日常の様子は本人から聞くだけなので、もっと知りたい。」(52 歳 女性)

[hirano]そうですよね!本人以外の観点からでも問題が無いか、という意味でも機会はできるだけあって欲しいものです。

連絡が多いと煩わしい

「すぐに連絡してくれるのはいいのですが、ちょっとしたことで家族が呼ばれます。」(50 歳 女性)
「友人が入所させた施設では連絡が多く何のために入所させたかわからない。と言っていました。」(65 歳 女性)
「具合が悪くなると直ぐに連絡がきます。また、洗濯物がたまると連絡がきます」(51歳 男性)

[hirano]まあそうおっしゃらず……とはいえ嫌な印象を受けてしまっているのであればぜひ施設職員の方に連絡なさってみてはいかがでしょうか。
[matuda]ちょっとしたことで呼ばれる、ということをネガティブに受け取られる方は割と多くいらっしゃいますね。それぞれの方にそれぞれの考え方がある、ということでしょうか。また、それぞれの異なる事情というものも見逃せないと思います。

連絡が少ないことに対して気遣いを感じる

「些細なことで連絡しては悪いと思っているようで行った時には良く説明してくれます。」(60 歳 女性)

[matuda]関係の作り方も様々ですよね。「気遣いを感じられる」環境は良いですよね~。

こちらの都合で・・・

毎月一回以上、今後の方針について打ち合わせの場をといわれてますが、こちら側の都合でなかなかできません。(41 歳 男性)

[matuda]う~~~ん、難しいところですね。無理な場合でも、電話などで代替できるかもしれません。別の手段がないか模索してみるのもいいかもしれませんね。

細かい説明はいらない

「こと細かく説明をしてもらわない方がよい。こちらが聞いたことを中心に教えて欲しい。あとは、特に気づいたところや変わった点などを知らせてくれるといいと思います。」(42 歳 男性)
「細かいことまで報告はいらないです」(51 歳 男性)
「本音を申し上げますが、お世話になっている施設では、必要以上に家族に連絡は有りません。ある程度施設側の判断にて対応をしていただいています。事後報告がほとんどです。ある意味本人の自立により運用していただいています。」(50 歳 男性)

[matuda]どの程度の説明が必要なのか、有益なのか。こうしたことのコンセンサスは是非施設側と一致させられると良いと思います。

連絡が多い理由に納得

「連絡はとても密です。「今日は定期健診の日でしたが異常はありませんでしたので、ご安心ください」とか「洗濯洗剤が無くなりそうなので、持ってきてください。」などです。 ただ、家から施設まで40分くらいかかるので、買わなければならないものは施設の方で買っていただいて、利用料と一緒に請求してもらうことはできないのか と聞いたところ、うちのほうではやらないので、持ってきてもらいたい。と言われました。初めは歯ブラシの一本だけでわざわざ行くの?と思いましたが、不正を起こさない ということから見ても、これでいいのかな と思うようになりました。」(47 歳 女性)

[matuda]こちらは「ちょっとしたことで呼ばれる」というケースだと思いますが、この場合は納得できたというのが興味深いですね!! 施設側の意図や事情を汲み取られるのも、とてもたいせつなことなんです。

問題提起

「施設との連絡が密か密でないかは、家族が入所させっぱなしで、面会にも行かない(むしろお年寄りを厄介者扱い)家族が冷たいのではないでしょうか。」(62 歳 男性)
「本人の様子・状態など、報告を受けています。それよりも、施設へ一週間に一回は訪問する事の方が、大事ではないでしょうか?」(73 歳 男性)

[hirano]非常に重要な問題提起です。介護施設を利用するのは、介護施設に全部をおまかせするためではありません。施設職員、施設利用者がお互いに助け合っていく介護を実現させるためではないでしょうか!

連絡関係は密ではないが良し

「連絡は密ではないが、病気になったり、食欲が長くなかったりなど必要な場合は連絡がある。連絡がないことは、施設で元気に暮らしていることと思っている。」(61 歳 女性)
「あまり細かい事は要望しないしあまりめくじらもたてない。じっと観察して何かあったときにものは云った方がよい」(53 歳 女性)

[hirano]便りがないのは良い便り、重要なことはきちんと連絡がある、ということですね。お忙しいかもしれませんがたまには訪問してくださいね!

自分が行く

「普段からこちらの方もまめに施設に訪問して、職員の方たちともコミュニケーションをとっています。ギブ&テイクと言われるように、求めるよりも与えることからはじめるのが礼儀ではないでしょうか。」(50 歳 男性)
「施設から電話がくるということはないが毎週いっている。元気そうなので安心している」(52 歳 女性)
「様子についてあまり報告がないので、10日一度訪問している。」(52 歳 男性)
「最低1週間に1度は訪問しているので、心配していない」(64 歳 男性)

[hirano]"求めるよりも与えることからはじめるのが礼儀"!感動しました!言葉としては皆さん理解されているのかもしれませんが、自分の言葉として言える、行動できるのがとてもとても素敵ですね!

提言

「私の親が利用している施設では、入所の機会ごとに、連絡帳が交換されるので、結構重宝している。これは制度化すべきでは!!」(68 歳 男性)

[hirano]まさにご意見番!という内容のご意見です。今まで感じたであろうことが集約されている雰囲気がありますね!

日誌で連絡

「個別に日常日誌があり、大変だろうにきちんとこまめに記録しておいてくれるので、ある程度のことは把握できる。」(53 歳 女性)
「交換日記をつけてもらってる。」(59 歳 男性)
「報告書はPCできれいに書かれたものをもらいます。夜中の様子なども書かれていると、よく見てくれていると安心できます。床ずれの治療の様子も詳しくあってよいです。」(45 歳 男性)
「連絡ノートがあります。何をしたか、何を食べたか等、何でも報告してくれてます。多分ですが…」(41 歳 女性)
「定期的に手紙で連絡をくれる。」(65 歳 男性)

[hirano]記録として残っている、という意味でも重要ですよね。さかのぼって見ることでも何か重要な発見があるかもしれません!
[matuda]随分多くの方が日誌やノート等の「文書による連絡」を重視されていました。確かに利便性の高い手段です。


5.多様化するニーズに応じて


多様化するニーズ

 改めて確認するまでもなく、現代の日本社会では多様な方々が多様な生活世界を生き、それぞれの事情、それぞれの習慣を持っています。このとき、「親を預ける」という行為一つを取っても、そこに関連する思惑や態度、考え方は人によって大きく異なってきてしまいます。あるサービスが喜ばれ、あるサービスが疎まれる可能性は常に潜在します。
  介護が措置から契約に移行した現在、そのサービスについてのニーズも幅広く存在しているのです。
  私たちとしては、考え方のマッチした施設を見つけられれば最高ですし、そうしたことの出来る環境を提供したいというのが老人ホームマップの意図です。
  また、多様化するニーズに応じたいという思いは、そのサービスの担い手である全国多数の介護施設の側も同じようです。

多様化するサービス形態

 上掲の通り、今回皆様から「日誌や連絡帳による連絡が重宝する」というご意見を頂きました。仮にこの方法ならば、細かい連絡を受けることのできない方々にとっても都合が良いのではないでしょうか?
  現在では、入居者家族への報告手段一つ取っても、それぞれの介護施設が様々な試みを行っています。
  利用者の求めるものの違いを踏まえ、誰にでも便利なサービス、誰にでも利用しやすいサービスを提供しようとする施設が増えています。また、一部では先端技術を利用した研究も行われています。
  せっかくなので、この【あなたがご意見番!!】でも数点興味深いサービスを紹介させていただきたいと思います!

施設内通信、スタッフブログ等による日常報告

施設内通信
 『コモドヴィータ下館 ふれあい通信(web版)
スタッフブログ
 『スーパーコート平野ブログ

 

 『介護付有料老人ホーム コモドヴィータ下館』では、ふれあい通信という施設内通信を設けることによって、施設の日常的な様子を入居者家族の方々に知ってもらえるよう計らっています。また、『介護付有料老人ホーム スーパーコート』では、施設スタッフである平野さんが入居者の方々の生活を日々生き生きと伝えておられます。
  インターネット上でのこうした情報発信は、忙しい方でも時間の合間に確認することができ、その上に施設で働く方々の意識や意欲を強く感じることのできる好ましい取り組みではありませんか?

利用者限定ログインサービス

デンマークINN深大寺 笑顔配信サービス

 

 『デンマークINN深大寺』では、笑顔配信サービスという興味深い試みがなされています。これは施設利用者のみがログインできる専用ホームページを介して行われるもので、入居者の写真やメッセージが施設職員や介護ヘルパーのコメントと一緒に配信され、それを入居者家族がパソコンや携帯電話を通じて閲覧・返信することができます。
  簡単に閲覧できるという利便性に加え、“返信することができる”というのが素敵です。施設内通信、ブログといった一方通行の情報発信から前進し、双方向的な、より深い関係を築いていくことが可能です。

 

新しい時代のe-介護

e-介護プログラム

 

 「今までよりも多くの情報が伝えられ、よりよい介護につながる仕組みづくりをしていきたい」という思いを元に、IT機器を利用したコミュニケーション技術の模索がこの『e-介護』という取り組みです。
  「元気です」というメッセージなどを簡単に送ることの出来る装置『元気コール』、就寝や起床のパターンを把握するための『照度計センサー』、就寝中の心拍や呼吸などを直接伝えることの出来る『パッド・センサー』。このほか、介護に関する必要的な最新情報へとアクセスできる『e-介護マルチメディア情報』、容易な情報交換を可能とする『インターネットTV会議』など、“活発な交流”を主眼とした研究が多くなされています。特徴は、「高齢者の方とご家族、ケアスタッフの情報交換・コミュニケーションを高めること」。
  前述の通り、いまの時代だからこその「多様化する社会/コミュニケーションの取り難い社会」ですが、いまの時代だからこその「新しい方法/新しいコミュニケーションの手段」が提案されてきています。

 

 

 以上、いかがでしたでしょうか? まだまだ他にも色々な試みがなされています。今回紹介したのは全体のうちのほんの一握りに過ぎません。是非、皆様がご自身の目で様々な施設のサービスをご確認ください。そうした観点で探していくと、介護施設探しも少し楽しくなるかもしれません!

 今回の調査で大きく際立ったのは、施設利用者の皆様の間でも「施設に求めるもの」「よいと思うもの」の相違が顕著にあらわれてくるということです。
  そこで、老人ホームマップでは近いうちにこの【あなたがご意見番!!】のコーナーにおいて「あなたは、施設からこまめに連絡がくると嬉しいですか?」というニーズ調査の方も行ってみたいと思っています。どうぞご期待ください。


参考及び引用文献


Synergy Work PC『介護事故(ケアリスク)の現状とリスクマネジメント』
国民生活センター『介護事故の実態と未然防止に関する調査研究』